「ここから近くてとにかく安い部屋が良いんだ」
不動産屋は少し悩んだ後
ひとつの物件を提示してきた
ものすごく安い
物件自体も良いし条件もぴったり
似た物件はこの何倍もしてるのに…
あきらかにおかしいその物件だが
その理由はなんとなくわかった
「誰か死んでるのか?」
不動産屋は答えなかったが
良い顔はしなかったからきっとそういう事だろう
理由が何だとしても出された時点で決めていた
「ここにする」
そう伝えたら勧めてきたくせに不動産屋はかなり驚いていた
本当に良いのかと何度も聞き返してくる
せっかくだから更なる値下げを求めたけど
それもあっさり飲んでもらえて
無事引っ越し先は決まった
日から事故物件に住む
そういうモノを軽く見てるわけでも
信じていないわけでもないが
人生で一度も幽霊を見た事がないから
たぶん大丈夫だろう
問題ない
この時はそう思っていた
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※本作品は、原作の本文・画像等を、権利者様から許諾を頂いております。
(C)ばたぁさんど/まどろみ行燈
部屋に出る…幽霊観察記録
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出版社 | ばたぁさんど |
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レーベル | Sandy Candy |
シリーズ | 部屋に出る…幽霊観察記録 |
作家名 |
まどろみ行燈/Sandy Candy まどろみ行燈 , Sandy Candy |
作品種別 | 一般向け |
動作環境 | Windows/Mac/iOS/Android |